Sasha's Note 一期一会

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70年

もちろん戦争を知らない年代だし、戦後の混乱も、60年代の学生紛争も知らずに育ちました。

もちろん、米国が第二次世界大戦の敵国だったとは深く知っております。


そんな自分が、このような事を相談受けるとは夢にも思っていませんでした。米人の友人から、「知人が日本兵が持っていた寄せ書きの旗を持っているので翻訳してほしい」と言われたんです。


年配の日本人に相談すると、体験談を話してくれたんですが、今から50年前に米国へ来た際に、米人に呼ばれて家に行くと、日の丸の旗の寄せ書きがフレームに飾られ、壁に掛かっていたそうなんです。家族が皆、「どうだ? すごいだろう」とニヤニヤしているので、頭にきてしまったそうです。


戦利品と思ってるんですね。このような旗は、家族や友人から「どうかご無事で」という魂が込められた寄せ書きなので、戦利品というのはちょっと違う、壁に飾って喜ぶべき品ではなく、遺族の元へ返してほしい、とだけ言い捨てて出てきたそうです。


今回の持ち主は女性です。どうしてその旗を持っているのか、どこで手に入れたのか、何故今頃言ってきたのか、謎なんです。ただ、旗の持ち主に返したいという意思があります。私は考えた挙句、「メッセージはとてもプライベートなことなので翻訳に及びません。どうぞ黙って返却されてください。但し、どうして手に入れたのか、家族あてに手紙を書くといいと思いますよ」と返信しました。アトランタには日本国総領事館があるので、そこへ持って行ってくださいと、住所と行き方を教えました。


友人は、幼い頃、父親の関係で家族で日本に滞在したこともあり、意図を理解してくれましたが、持ち主はどうかはわかりません。それでも翻訳してほしいと領事館へ頼むかもしれません。


寄せ書きを書かれた方々はもう生きていらっしゃらないかも知れませんが、子孫の方の手に無事に帰るように祈りたいです。




裏庭のりんごの花が咲きました。